中学入ってちょっとしたくらいの頃でしょうか。『交換日記』ってのに憧れまして。
今と違ってケータイ電話も無かったし、連絡網見りゃ自宅の電話番号は書いてましたけど、家電は家族が出る可能性とか考えたらさすがに・・・って部分がありました。
ほんで、本当は気になるアイツとマンツーマンで交換日記がしたいんです。野球部マネージャーの南ちゃんと交換日記がしたいんです。
でも「交換日記しない?」って直接彼女に聞くことっていうのは、なんか微妙じゃないですか?
仮に「嫌だ」って言われたら、交換日記できない以上の何か『痛手のようなもの』を負うような気がするんですよね。
それに「なんで?」って聞かれても、相当厳しいです。「あなたのことが・・・」からの武田鉄矢か「とぅきだから!」の2パターンしか思い浮かびません。
だから周りを巻き込んで、6人の班みたいなのに属している人間全員を巻き込んでやろうと画策します。
さらに言うなら「おい、天野。お前が春香ちゃんと交換日記できるように、うまいことやってやろうか?」と、親友を騙して水面下で事を進めました。敵を騙すには、まず味方からって言いますから。
ほんで『親睦のため』とか適当なことを言って、交換日記は「面白そう!」という意見で満場一致するわけです。
問題は順番です。というのは、南ちゃんから受け取りたいんです。南ちゃんの書いたことに対して、色々書きたいんですよね。
だから順番を時計回りにするか反時計回りにするかで、運命がだいぶ変わるっていう・・・外す気しかしない50%の勝負をしいられたりして。
反時計回りならいいんですけど、時計回りだと天野くんのが来るんですよね。何が悲しくて彼にツッコミを入れなきゃいけないのか。
まさにデッドオアアライブ。最悪のケースだと天野くんのボケにツッコミを入れるのに精一杯で、南ちゃんどころじゃなくなってしまいますから。
とにかく、全力で反時計回りにすることを試みます。ここで一生のお願いを2回ほど使ってしまったくらいです。
誰かが「時計回りでいいんじゃね?」とか言い出して、それに賛同の声が上がる中、ただ1人で「それは風水的によくない」と言い続けて、反時計回りを勝ち取ることに成功。
「良かった、一生のお願いを使ったおかげだ」と胸を撫で下ろしたのは、今でも覚えています。
しかし幸か不幸か、この先『美化係』に就任して数ヶ月間に渡り、およそ2週間サイクルで花瓶の色を変えていくハメになります。
2ヶ月目に天野くんにネタばらししたら、彼は大きく目の色を変えていました。
「だから、そんな奇抜な色のハンカチ持ち歩いてんの?」とか聞かれたくらいにして。
ナイルブルーのハンカチで汗拭きながら「本当にコパってんだよねー」っつって。
「困ってるみたいに言うんじゃねーよ!」っつって、下校中にゲラゲラ笑いました。
あ、そうそう。
肝心の交換日記の行方なんですが、途中の奴(藤木くん)があまりにも書いてこなくて「航海日誌か!」っつーくらい月日が経ってから回ってきました。
見る影もないくらい日焼けしちゃって、何色って言うんでしょう?『ブラン・セピア色』とでも言うんでしょうかね。たぶん風水的にも最低の運気だと思います。
一生のお願いができるなら、この悲しい想い出を消し去りたいです、はい。
コメント
航海日誌w
なにも消し去らなくても。とってもいい思い出じゃない。
充実した中学生活ねえ。
Delphoiさん、コメントありがとうございます。
ある種の後悔日誌ですよね。なかなか上陸しませんでした、はい。
マミーさん、あの頃は充実してましたよ。
私生活も頭上も。