今時の連絡網が携帯番号の羅列で、時代の流れを感じずにはいられなかった。

むかしむかし、まだ携帯電話が今ほど普及してなかった頃のお話。

「もしもし、和也?ごめん、俺だけど。今日さ、先生が『明日、忘れず持ってこい!』とか言ってたやつって、何だったっけ?」

「・・・俺、和也じゃないんだけど」

「・・・和也君に代わってください」

その後です。「なんでオメーが出ねーんだよ!」という、とても理不尽な理由で怒られることになった和也君。

「お前を蝋人形、もしくは名実ともに某漫画の弟のようにしてやろうか!」と。

1つ2つ程度離れた兄貴、もしくは双子の兄貴がいると、声の違いなんかじゃわかりませんから。

確認すりゃイイんですけどね、なんか変な照れがあるんですよね。

例えば、和也君が最初から電話に出たとして。『和也君』って呼んでることが和也君本人の耳に入るのが嫌だっつーかなんつーか。

「こいつ、普段はちょっとワルぶってるくせに、ウチの親の前ではイイ子演じてるんだー。ぷぷぷ」とか思われてるって思われたらもうね。

それから困るのが、いくら和也君本人が出ても「ごめん、誰?」って言われるパターン。自分で自分の名前を言わされるパターン。

特に、みんなから『まろ』という変なあだ名で呼ばれてる場合なんかやばいです。

「まろだよ」って言うのも、なんか違いません?

それは、自分のどこかで『まろ』を受け入れてることを肯定してしまうというか。たとえば『まろ』ならまだいいです、100歩譲って。

これが『雰囲気が似てるから』っていう理由だけで付けられた『ザビエル』とかだと、もう目も当てられません。

「ザビエルだよ」って言ってっけど、お前は決してザビエルではないからね。しかも『フランシスコ』を蔑ろにする?っつって。

そうそう、例えば和也君本人には『南』って呼ばれてても、周りには『朝倉さん』で通ってる場合とかも困りますよ。

「南だけど」って躊躇なく言えるような『南』は間違いなくリア充。そして意識高い系。

下手すりゃミス明青、さらに言うなら二足の草鞋の二足目で全国大会に出場するほどの大器だと思われます。

これが「朝倉だけど」とかになると、なんか変な空気流れませんか?

和也君サイドとしても「あれ?ついこの前まで甲子園に連れてって!とか言ってたのに、なんか距離できてない?」的な。

いずれにせよアレです、アレ。

達也に電話を取らせるような和也じゃダメだってことです。←飽きてきて、もはやテキトー。

以上、携帯電話が普及する前の話です。

当時は好きな子の家に電話して、お父さんが出たりとかしてね。あまりにもの衝撃で口から魂出たりとかしてね。

「昔はよかったなー」なんて言うつもりは毛頭ないですけど、今の『誰から電話がかかってきたか、すぐ画面に表示される』っていうシステムは、なんとも言えないスリル的なもんを奪いましたよね。

そもそもスリルなんて必要ないっちゃ、それまでですけど。ベビベビベイビーですけど。

それにしても「タッチ、タッチ、そこにタッチ」で電話もメッセージも送れるなんて、まぁ便利な世の中になったなーっつって。

それから、ザビエルってあだ名は変えてもらったほうがいいです。

おしまい、おしまい。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク

コメント

  1. mamichansan より:

    なんだか懐かしくなるお話しでした。
    電話、緊張したものです。
    今や家電話と言えばセールスばかり。
    名乗らなくなりましたよね。

  2. xx_mar0_xx より:

    マミーさん、本当そうですよね。
    仕事で新築のお家に行くことがあるんですけど、固定電話の無いお家が増えてます。
    LINEなんかも便利でいいですけど、既読が一目でわかるとかもうね。
    わびさびが無くなったような気がします、はい。