優しくて思いやりのある男性ってのは、世間的にも高評価だと思います。
ただし『結婚』となると話は別。金銭的な面がどうとか、子供についての考えがどうとか、色んな思惑があると思うので、単に『優しければイイ』ってものでもないと思うんですね。
ただ、あくまで付き合うってことに関して考えた場合「彼氏は優しいに越したことないんじゃない?」って思うんです。
本当の意味で優しい男には、彼女とかいると思います。
もし、自分で女性に対して優しいと思ってるのに彼女がいないって人がいるとしたら、それは他の部分に致命的な欠陥があるか、優しさを履き違えているかのどっちかです。
稀にどっちもって可能性もありますが。
未だに忘れもしません。
小学生の頃にバレンタインデーで2、3個チョコ貰って家帰ったら、それを見た親父が言うわけです。「お父さんはカバンに入りきらないくらい貰ったもんだけどなー」と。
そして、母親が「アンタは優しくないからモテないのよ!」とか言ってくるんです。
こういう家庭に育ったせいか『女性には優しくするべきだ』的な思想が刷り込まれて育ってきてます。
そのせいもあって、女性に対しては多少の思いやりもあると思うし比較的優しい方だと思うんですけど、しばらく長いこと彼女とかいないんです。
去年も一昨年も、その前もその前もクリスマスは1人でした。あ、今年も。
『なんで彼女ができないのか』を今日という日に真剣に考えたんですけど、おりが自分で思ってる優しさって「相手にとって迷惑だったりしないかな?」って思いました。
例えば、女友達と遊んだときなんかの話です。女友達は春菜ちゃんということにしましょう。っつっても角野卓造じゃねえよ?
ここで注意したいのは、春菜ちゃんにとって、おりは友達であって彼氏ではないわけです。
現地点では冗談でも「幸楽のラーメン食べに行く?」という類のボケは許されないし、ちょっとでも距離感を間違うと「彼氏面してんじゃねーよ!」って思われてしまう、非常に難しい時期だったりするわけで。
それでも、一緒にいると楽しくて、時間忘れてはしゃいでたら遅い時間になってしまいました。まぁ当然1人で帰らせるわけにもいきませんし、春菜ちゃんの家の近くまで車で送るわけです。
しばらくすると「ウチ、この近くだからここでいい」って言われまして。「ん?」って思うわけですよ。
これが実家とかなら「親に見られたくないとかあんのかな?」って考え方もできますし、単純に考えたら「こっちに気遣ってるだけじゃね?」って思ったりもして。
こっちサイドとしては、別にそんな気遣い要らないし、むしろ女の子が1人で夜道を歩く距離なんか短いに越したことないですから。
「いいよ、家の前まで送るよ」って喉まで出かかるんですけど『家を知られたくない』って気持ちもあるかもしれないと思うわけです。
実家住みじゃなくてアパートに1人暮らしだったと仮定しても、おりに対して気を許してなければ、家とか特定されたくないって可能性もあるなーっつって。
もし気を遣っての『ここでいい』なら家まで送りたいんですけど、家を知られたくないゆえの『ここでいい』なら、ここで「気をつけてね!」っていうのがベストだと思うんです。
たぶん春菜ちゃんってすっげー優しいコだから、気を遣ってる方だと思うんですね。「袋小路に入ってちゃうと出るのも面倒になっちゃうし」的な。
でも、そこには「気を遣ってる方であってほしい!」っていう自分自身の勝手な希望が含まれてるんじゃないかって思うんです。
春菜ちゃんは「オメーに家を知られてたまるかよ!」って思って必死に断ってるのに、こっちが「いいよ、気とか遣わなくていいよ」とか言ってるとしたら、とんだKY野郎ですよ。
ドラゴンボール的な『気』でも使って、おりのことを消しても国が許すと思います。
せめて『ここから本当に近い』って確信さえあれば、別にイイんですけどね。万が一、気を遣い過ぎて何百メートルとかあるっつったら、そこそこな距離ですし。
本当に近くなのかもしれないし、もしかしたら500メートルくらい歩くのかもしれない。その500メートルの間に変質者に遭遇する可能性もあるじゃないですか?
でも春菜ちゃんが『ここでいい』って言ってる以上、深追いしないのも優しさなのかなーっつって。だから一言だけ。「変質者には気をつけるんだよ!」って言うんです。
「本当は家の前まで送ってってあげたいけど、逆に迷惑になる可能性もあるし、気を遣ってるだけなら別にそんなの要らないけど、ここから歩いてすぐだって言うなら本当に気をつけて帰るんだよ。もし、万が一ね、怪しい人に襲われたりとかしそうになったら大声出せば、おりすぐ駆けつけるから。とにかく変質者には気をつけるんだよ!」の略です。
それに対して春菜ちゃんからお礼と一緒に「私なんかを狙う変質者は居ないよー」って返ってくるんです。
「いやいやいやいやいや。春菜ちゃんみたいなのを狙う変質者だから危ないんだよ!見境ないやつが一番危険なんだって!」
と、彼女の身を本気で心配するおりの優しさって、きっと大切な何かが間違ってるんだろうなぁ。