小っちゃな頃から悪ガキで、１５で不良と優等生とを使い分けてました。勉強も運動もできるコでね、今思えば、あの頃がピークでした。
完全な早熟系男子です、はい。あの頃から今までずっと下り坂、その勢い留まることを知らずって感じです。
忘れもしません中学生の頃、近所で釣ってきたブラックバスをプールに放流して、こっぴどく怒られました。
２時間に及ぶ説教と『２度としません』的な誓約書を書かされた後、そのままの足でプールに向かい「ここにブラックバスを放流しないでください」という看板を立てて、結局それも体育教師の逆鱗に触れたわけですけど。
それがバレてからというもの、向こう１ヶ月の挨拶運動をさせられました。今じゃイイ思い出ですけど、水泳部には悪いことしたと沼より深く反省してます。あなた方の悲しそうな顔は２度と忘れません。
でも個人的には叱咤激励のつもりだったんですけどね。「魚のように速く！」とでも言いましょうか。うそです、素直にI’m sorry。
近頃、中学同級生の集まり的なものが多くて、その度に思い出話に華が咲くんです。「アレは傑作だったなー」なんて笑ってるんですけど、あまりに怒られ過ぎて記憶にないのがチラホラ。っつーか「お前だれ？」って思う人もチラホラ。
なにやらエピソードを挙げてくるあたり、たぶんそれなりに仲が良かった人だとは思うんですけど、全くもって記憶に無いんですね。
特にアイシャドーがキツくて試合後のボクサーみたいなオメーだよ、オメー。レディーに向かってオメーはないですね、失礼遊ばせ。
男ならいいですよ。「太ったから気付かなかった」とか普通に言えますもん。普通には言えないですけど。まぁ、心のどっかで許してくれんじゃないかなって感覚があると言いますか。
問題は女性の場合ね。というのは、中学卒業以降も交流がある女子なんて限られてくるし、中学時代しか知らないんじゃわからなくて当然だって思うんです。だって、化粧した顔を一切見たことがないんですもん。
髪の毛の色を抜こうもんなら指導室に呼ばれて黒くさせられ、眉毛だってイジることを許されなかった時代です。当時、クラス１のアイドル彩ちゃんは「眉毛むしってる！」って言ってました。
きっとその野性味溢れるパワーが男子の皆を惹きつけたんでしょう。たぶん、そんな気がする。
ところで、同窓会あるあるなんですけど『なんでコイツが！？』って思うやつほど早く結婚してませんか？同級生の中には中学生の息子がいる奴がいたりして、ちょっとしたカルチャーショックです。
同級生が少子化社会に一石投じてるというのに、おりが投じたものと言えばブラックバスくらいのもんです。あーあ、なんか泣けてきますね。
あの頃、一緒になってバカやってた仲間が、しっかり親やってたりサラリーマンやってるっつーんだから、時間の流れを感じずにはいられないっつーかなんつーか。ちょっと寂しいかなって思いました。自分だけが取り残されてるような。
外見こそ変われど「中身は変わってねーなー」って言い合えるのを想像してたのに、みんなしっかり大人やってるなーって思って、なんとも言えない気持ちです。
この『なんとも言えない気持ち』を簡潔に述べるとすれば「プールにブラックバスを放流することは２度としません」って書いたときの、なんとも言い難いあの気持ちです。
ちなみに全てが終わった後で発覚したんですけど「お前だれ？」って思う人の代表格は女子水泳部キャプテンの中村さんでした。
試合後のボクサーとか言っちゃってね、なんかね、申し訳なさ過ぎてマリアナ海溝より深く反省したよね。