小テストにおける大喜利的な要素。

中学1年のときの理科のテストで「自分が知っている微生物のイラストを3つ描け」みたいな問題が出まして、アオミドロ、ミジンコ、アメーバを描きました。

下手なりに一生懸命描いた結果、全問正解だったんですけど、どう考えてもアレはアメーバじゃなくて『はぐれメタル』だったと思います。

隣の席の近藤さんが「どうしても2つしか浮かばなかった」っつって、かなり悩んだって言うんですね。というのは、当時『穴埋めはとりあえず何か書け!』っていう教育を受けてまして。

何も書かなきゃバツだけど、なんか書いたら当たるかもしんないっつーことを言われたわけです。

それってテストの本来の目的とだいぶ離れてしまいますけどね。知識がついてるかどうかの確認のためのテストが、点数取るためのテストになってるーっつって。

近藤さんもなんとかして描こうと思ったんでしょうけど、本当に浮かばなかったらしく、半ばヤケになったのか、先生の似顔絵をすっげー上手に描いてたんです。

今でいうところの『恋人は白馬に乗った王子様!』みたいなアプリに出るような絵って言うんでしょうか?ちょっと過剰に褒めるような絵です。

それが結果的に丸をもらってまして。なんなら理科の先生もちょっと誇らしげになってるんです。思えばこの頃から、おりの中の何かが音を立てて崩れ落ちたような気がします。

それまでは「この中に1人だけ正解した人がいます!」って言われて注目される方に優越感みたいなものを感じる子だったんですけど、なんか「面白いこと書きたいなー」って思うようになりまして。

最初、全部真剣に問題を解いていって、もしわからない問題があれば、それで大喜利するっていう負の螺旋に足を踏み入れてしまいました。

それが末期を迎えた頃には、わかってる問題でも、おいしい答えが思い付いたらそっちを書いてました。

あとは、いかに笑ってもらえるエピソードを作るか。太平洋って『太』なんですけど、大西洋って『大』じゃないですか?

『太平洋戦争』って書く場合『太い』の点に消しゴムを押し当てて少し薄くするっていうね、ちょっとしたズルみたいなのを思いついたんです。

答えはわかってるんですけど、テスト返したあとの答え合わせで「こんな人がいました!」でウケたらいいなーっつって。

問題は、バツになる可能性があるってことよりも「先生がそのボケに気付かないんじゃないか?」っつー方で、全然関係ないのに余白にでっかく『大西洋』とか書いて予防線張ったり。

無事、先生が気付いて三角にされちゃいましたけど、確かコレは、そこそこウケたと記憶してます。

そんなことをずっとやってきて、久しくテスト的なもんも受けてなかったんですけど、今年、国勢調査があったじゃないですか?もうね「ボケてください」と言わんばかりなんです。すさまじいくらいのフリが、もう困るわーっつって。

そこはまぁ真面目に書きまして、問題は会社で渡された扶養控除と保険料控除の申請用紙でして。

申請書に親父の名前書いて『続柄』とかね、ウズウズして仕方なくて、なんとか踏みとどまって真面目に書いたんです、書いたんですけど・・・。

『息子』って書いて、親父を中心に世界を回したおりは、たぶん孝行息子。

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