クリスマスの悲しく寂しいエピソード。

あと10日でクリスマスだそうで、個人的には平日で非常に助かってます。というのも確か4年前と3年前は土日だったと思ったんですけど、どちらも仕事でして。

吹雪の中、ボイラー直してました。ベタ過ぎて言いたくないですけど『メリークルシミマス』みたいな日でした。

基盤に雪とか付かないようにバスタオル巻いてやるんですけど、修理終わってバスタオル取ろうとしたらカチカチなんです。

おりも手とか動かないくらいの満身創痍でして、早く試運転して帰ろうっつってお客さんに声をかけるんです。

「修理終わったんで中お邪魔させてくださいー」っつって。「試運転させてくださいー」っつって呼ぶんですけど、あまりにも寒い中の作業だったんで声もろくに出ないんですね。

そしたらお家の中の幸せそうな声で、おりの声がかき消されてることに気付きまして。「お母さん、ケーキにロウソク早くー」みたいな。

か細い声ではありますが、こっちも精一杯「すいませーん」っつってるんですけどね。その声はお客さんに届かず。

会いたくて会いたくて震えるってこのことだわーって今になって思いました。

一昨年は平日だったと記憶してます。上司のプライベートの都合なのか「クリスマスくらい早く帰ろうかー」的な感じになって、午後6時にはもう帰れるって状況だったと思いました。このまま帰れば夜7時には家に着くなーっつって。

別に頼んでもいないし、なんなら家族と過ごすってことは一言も言ってないんですけど、朝、家を出るときにおかんから「ケーキあるからね」って言われたのを思い出しまして。

「何ケーキだろうなー」なんて考えながら家に帰ってる途中でふと思ったんです。「ウチの息子は30手前にもなって浮いた話の1つもないのだろうか」という不安感をおかんに与えてしまわないだろうかと。

たぶんですけど、おかん的にもこっちの予定を探る意味合いでの「ケーキあるからね」だったんじゃないかなって。

それを言った瞬間のこっちの反応とか伺ってたんじゃないかなーって思ったら、なんか腹立ってきました。正確には腹立ってきたのを通り越して悲しくなってきたんですけど。

このまま帰るのも癪に障るっつーんで、特に用事もないのにゲオに行きました。BGMでシャンシャン流れてるばかりでなく、店員さんがサンタの格好なんかしてるわけです。心なしかお客さんも少ないんです。

まぁ特に用事ないんで、新作のDVDとか売れ筋ゲームのランキングとか見てるんですけど、サンタがね、こっちを見てるような気がするんです。

「こいつは聖なる夜に何をしてるんだ?」的な。言ったらですけど、彼らには職務を遂行するっていう大義名分があるわけで、用事もないのにプラプラしてるおりとは別の人種なわけで。

そう考えたら、なんか腹立ってきまして。正確には腹立ってるのを通り越して泣けてきたんですけど。

よくよく考えたら、お店に入った地点で、そのお店の店員さんには何かしら思われるよなーっつって、無駄に遠回りして家に帰ったんですけど時間的には9時前とかで、もしデートでもしてるような感じにするんだったら、あまりにも早すぎるんですね。

フェラーリかポルシェかっつーくらいです。

だから無駄に町内をグルグルしましてね、ただ雪道だから運転してるのも疲れてきたーなんつって、公園的なとこに車を停めて休憩するんですけど、その公園には高校生なのかな?カップルと思われる2人がベンチに座ってて、なにやらお喋りしとるわけです。

そこだけ雪なんかも解けたりしちゃって。熱いねーっつって。

そこで冷静になって思うんですよ。「たっくん、さっきからあの車、あそこに停まって何してるのかな?」的な会話がなされてるんじゃないかと。

「もしかして変質者じゃない?」なんつって。「もう行こう」みたいな感じになったら、おりはキリスト様に顔向けできません。

幸せな若いカップルの芽を摘んだーっつって極刑もんです。一生をかけてたっくんに謝罪しなきゃいけなくなりそう。

そんなんで行き場を無くして結局9時ちょい過ぎに家に帰ったんですけど、着くや否やの「遅かったじゃん」っていうおかんの言葉を受けて、それもこっちに探りを入れてきてるやつだなってことはわかってたんですけど「仕事だからね」っつって、精一杯の大義名分を掲げました。

そんな過酷な一昨年のクリスマスとは打って変わって、去年のクリスマスは何もなかったです。ゾロも驚くほどの「・・・なにも!!!な”かった・・・!!!」って感じでした。

誰に気を遣うわけでもなくアパートに帰ってゲームしてたんですけど、全然苦でも何でもなかったですし。そういったことを踏まえて、ちょっと言いたいです。

恋人いない人が可哀想だー的な感じになってますけど、そんなのまだ序の口だと思います。おりの一昨年のクリスマスと比べてみてください。

仕事では家族愛を見せつけられ、ゲオで店員さんに憐みの視線を浴びせられ、たっくんには変質者扱いもされました。

帰りたいのに帰ることもできず、挙句の果てには実の母親に「こいつは彼女いるんだろうか?」という疑問をストレートに聞かないっていう変な優しさをみせられるんですよ。あのガサツなおかんに気を遣われたーっつって。

これと比べたら大抵の人は自分の方がまだマシだって思えると思います。もし、これを超えるエピソードがあるなら、あなたとは親友になれそうです。

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