嘘が嘘を呼んで、慣れっていうのは本当に怖いなと思った。

普段の仕事において、お客さんとのコミニュケーションっつーか雑談的なことにも気を遣ってます。

仕事の内容としては『物を直す』というジャンルになるんですけど、家電製品などが壊れてしまって多少なり不満がある人の所に行かなきゃならんので、それはそれは第一印象が最悪から入る恋愛ドラマみたいなもんです。

まぁ、第3話くらいまでいけば多少はお互いの良さとかわかってくるかもしんないですけど、こっちは第1話目の2回目のCMすら跨げない程度の時間しかないわけで。

少しでもお客さんの不満を解消して、少しでも有利に持ち込みたいわけです。「こんなに早く壊れるなんて、不良品なんじゃない?」とか、言わせない状況作りがしたいんです。

そのためには、お家にお邪魔したときに『このお客さんは何に興味を持っているか』を探ります。ペットがいれば、ペットの年齢とか名前とか。それこそなんでも良くて、仕事以外の話をしながらお客さんがどういう人なのかを探ります。

もし子供の賞状とか飾られてようもんなら、パクーッていきます。「息子さん、表彰されたんですか?」って聞いてみます。

よほどのことがない限りは自慢の息子さんでしょうから、向こうから語り出してくれますんで。

あとは適当に相槌打ちながらの修理内容の話に持っていきつつ「あっちもこっちも傷んでるんで、修理するよりも買い替えてもらった方がいいかもしれません」ってトークを展開。

自慢の息子トークを披露して気分のいいお客さんは「それもそうね、新しいのに買い替えるわ」つって、そりゃーちょろいもんです。

まぁ、あくまで上手くいったテイですけど。

そういう雑談をしてると向こうからもジャブがきたりして、こちらが結婚してるテイで話をしてくるんです。「お昼は奥さんの手作りお弁当ですか?」とか。

最初は「私、独身なんですよー」って訂正してたんです。

そうすると向こうが焦って「あらやだ、私ったら、どーもすいません!いい男なのに勿体無い!」的なフォローをいれてくるんです。

1年とか2年で、そのやりとりが面倒になってきまして。

なので、結婚してるテイで話を進めています。子供が3人いるテイで。男、女、男なんですけどね。3人目は女になる時もあります。

なんなら自分の出身地も変えてます。北は北海道、南は沖縄。ブラジルに生まれたこともありました。大抵は、お客さんと同じ街に生まれてます。

そんなん続けてると嘘の数に比例して、罪悪感もそりゃー増えるんですけど「この前、修理に来てくれた、感じのいいお兄さんにまた来て欲しいわー」つって、リピーターなんかも増え始めます。

そして再訪問するんですけど、方々で好き勝手喋ってるせいで何言ったか全く憶えてないもんだから、またそれに嘘を重ねてしまって結果的にすごいことになってます。

本日、修理に行ったお客さんのとこで「育てのお母さん、韓国から帰ってきた?」って普通に聞かれて、すっげーびっくりしました。

まぁ、帰ってきたテイで話しましたけどね。

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