普段から『面白いこと』を探してます。
虎舞竜が『何でもないようなこと』を幸せだったと思ったのと同じく、当ブログでも『何でもないようなこと』を面白おかしく考えたい気持ちでいっぱいです。
先日、概要をちょっと見ただけで「こういうのを待ってた!」という本を見つけまして、速攻で本屋に行って買ってきました。
個人的に大好きな言葉遊びが随所に盛り込まれていて、なかなか面白かったので、今回は『倉本美津留の超国語辞典』についてレビューしたいと思います。
出会い
基本的に『うまいこと』って言うんでしょうか?口先で煙に巻くっつーかなんつーか・・・そういう表現が好きなんですよね。
例えば「イカって炙ると美味しくない?」とか聞かれようもんなら、返す刀で「あたりめーだ!」とか言いたいんですよね。
そういうエッセイみたいなのが読みたいなーっつって探してたら、見つけました。(エッセイではなかったけど)
著者の倉本美津留さんについて
この本を読むまで存じ上げなかったんですけど、この倉本美津留さんという方は『ダウンタウンDX』や『M-1グランプリ』を手掛ける放送作家さんだそうです。
関西の番組を中心に手掛けていたそうなのですが、大阪のベタな笑いに疑問を持ったんだとか。(倉本美津留 – Wikipedia)
「じゃあベタじゃない笑いって何よ?」って思いません?それは、この本に書いてます。
この本を読み終わる頃には「倉本美津留さんは、実に『うまいこと』を言う人だなぁ」と感心しますよ。間違いないです。
内容紹介
大袈裟表現語
- 『必死』→ほとんどの場合、死なない。
- 『ケツの穴が小さい』→大きい方が問題ありではないか?
いわゆる日本語特有の『誇張表現』とも受け取れる語句に対してひたすらツッコミを入れています。
誰もが思い付く部分なので、見所はそんなに無いかもしれません。「ま、まぁね」以外の感想が出てこないっつーか。
お得読み漢字
- 承る(うけたまわる)
- 跪く(ひざまずく)
5文字や6文字の言葉を漢字にすることで短縮できるものを、ひたすら羅列しています。
これ自体は何の面白みもありませんが、これに対して『お得読み』って言う発想が普通の人と違うような気がしませんか?
言葉の漫才師
- アドリブ漫才『行き当たりばったり』
- ウソつき漫才『有ること無いこと』
日本語は強調する意味で韻を踏むことが多々あります。そのイジり方が本当に秀逸です。っつーか、それを漫才コンビに例えるって発想が既にすごい。
確かに『昭和のいるこいる』とか『青空球児好児』とか、リズミカルな名前が多いですもんね。ここでは、かなり『うまいこと』言ってます。終始、感心しっぱなしでした。
同音言葉 多入り短文
- 円陣がエンジンを円陣で囲む
- 三児の産時に賛辞を送り惨事になったのが三時
いわゆるダジャレのようなものです。ここに関しては面白いっつーか、もはや「よくもまぁ考えるなぁ」という失笑のレベルですよね。
おかしな名前 つけられて
- 『帰国子女』→男もおるっちゅうねん !
- 『仏国』→7割がカトリックやっちゅうねん!
このあたりは「うまいなぁ」と感心します。ツッコミのテンポもいいですし、一気に読んじゃうと思いますよ。
『あるある』の雰囲気もあります。安全ピンとかね、決して安全ではないですから。
感想
内容は大雑把に5項目だけ『さわりの部分』を紹介しましたが、本書は全38項目という凄まじいボリュームでして。
正直、中には「これ、あんま面白くないなぁ」って思う項目も多いんですよね。(ここだけの話ですよ?)
でも『一流の放送作家さんが、何を考えているのかという一部分を垣間見ることができる』という点においては、非常に勉強になります。
「こんなん普段から考えてるんだったら、そりゃ面白いバラエティー番組作れるわ」って思いますよ。
文章への応用
それを『いかにして文章に応用するか』についてですが、基本的に本書では文章の書き方をレクチャーしてくれているわけではないので、そこは「自分で考えてください」ってなっちゃうんですけど・・・。
ただ「面白い文章って何か?」って考えたときに、テーマっつーか着眼点ってすごく大きいと思うんです。
たぶん、面白い文章に書かれているようなことって、なんてことない出来事だと思うんですよ。結局は、それの見方次第だと思うんですよね。
もちろん文章の構成能力とかもありますけど、別に論文書くわけじゃないですから。
最後に
当ブログで常日頃から「書きたい!」と思っている内容について、面白い角度から書かれていたので一気に読んでしまいました。
というか、超国語辞典っていうネーミングもふざけてると思いません?店員さんに聞くときめっちゃ恥ずかしかったですよ。
エッセイコーナー探し回って無くて、まさか本物の国語辞典の横にあるなんて思わないじゃないですか?
店員さんも「普通の国語辞典じゃなくて?」的な感じで聞いてきましたからね。「普通じゃなくて超ですよ」っつって。
「『ちょう』ってあの『ちょう』ですか?」とか聞かれて、店員さんが言ってる『あのちょう』はわかりませんけど、とりあえず「『そのちょう』です!」っつって買ってきたのもいい想い出です。
うまい、面白い文章を書くうえでの『ものの見方』というか『言葉遊びの仕方』を知るためのバイブルとして、参考にしてみてはいかがでしょうか?
コメント
お得読み漢字に唸った!すっごいわかる。
同じタイトルの場合、英語の本より薄いのは彼らのおかげかな?
マミーさん、この人の目の付け所が本当にすごいです。
放送作家ってイマイチ何をする人なのかわかんないですけど、何となくすごさがわかります。
そして薄いという字に禿げしく反応しました、はい。
うん、反応するだろうなって思ってた。
まさかコメントに書くとまでは思わなかったけどね・・・。なにがあっても逃がさないのねえ・・・。
マミーさん、そのへんは抜かりありません。
別のが抜け落ちたけど。
ありがとう、めっちゃ笑った。あはは。
おやすみなさい。